頭をガツンと殴られたような感覚
約6年前、ネットワークビジネスから目を覚まし、後悔と失意に中で這うように生きていた時、私は本に救いを求めました。(ネットワークビジネスにハマってしまったことは、コチラの記事で書いています。)
何冊かの本を読み漁る中、ガツンと頭を殴られるような、そして今までの私のどうしようもない考え方を、180度とはいかないまでも、「あ、こんな生き方もあったんだ」「人の幸せってこんなところに見つけられるんだ」と、120度くらい変えてくれた本が何冊かありました。
今回は、その中の2冊を紹介したいと思います。
1冊目:「年収100万円の豊かな節約生活術」 山崎寿人著
筆者は東京大学を卒業後、大手酒造メーカーに就職するも、30歳の時に退職。その後、定職に就くことなく執筆活動などをしながら20年間プータロー。
中年男性のすさんだ生活が描かれているのかと思いきや、全くそうではないことに驚きます。
年収100万円というのは、筆者が親の遺産を引き継いだ不動産による賃貸料ということです。
そのごくごく限られた収入の中で、ひと月の生活費の目安を3万円(家賃や光熱費、通信費などの固定費以外)として、毎日いかに幸福に暮らせるかを追求するゲームとして捉えて日々楽しんでいるのです。
まず節約があるのではなく、あくまでも幸せが先。心がすさむような粗食をしたり、熱中症になる寸前までエアコンをつけない、なんてもってのほか、と言います。
筆者は、元々おいしいものが大好きだそうで、「食」に対するこだわり、追求心は半端なものではありません。
ここはさすが、東大卒とでもいうべきところでしょうか?
「いかに金をかけずに、生活の質を上げてゆくか」なんて、かなり学術的な思考だと思います。
「いかに安い食材で豊かな食生活を送るか」そのために脳ミソを使う。
では実際にどうやってひと月3万円(固定費以外)で暮らせていけるのか?ということはこの本を読んでいただけたらと思います。
年収100万円の豊かな節約生活山崎 寿人
私はこの本を読んで、人の幸せとか価値感というものは、お金の多い少ないとは関係ないところにあるのだな、と思い知らされました。
もちろん、この本の筆者と我が家を単純に比べることもできませんし、マネすることもできません。
けれど、筆者のように「限られた収入の中で、どこに自分たちの価値を重く置いて、何に幸せを感じるか、見つけるか」という生き方から、学び取れるものは多いのではないかと思いました。
2冊目:「貧乏入門」 小池龍之介著
筆者はお寺の住職さんですが、若かりし頃はブランド物など多くのモノを持ち、お金とモノに振り回されていたのだそうです。
上の1冊目で紹介した年収100万円の豊かな節約生活が、物理的に制約のある中で幸せを見つけていくには、どうやったらいいか、どうしているか、といった内容であるのに対して、こちらの貧乏入門の方は、心の中を整理して、モノやお金に快楽を見出すことを止める、といった内面に働きかける内容です。
心が安定していない人ほど、所有しなければならないものが多くなります。
いくらお金が増えても、結局のところ、それで交換できるものが増えるというお金の本来の機能以上のものは得られないということです。
満たされない思いから、何か刺激を求めてお金を使ったり、欲しいというだけでモノを手に入れても永遠に心穏やかな本当の幸せは手に入れられないのですね。
また、少々難しかったのですが、人間が感じることのできる刺激は、結局のところ「苦」だけだそうです。
すべては「苦」で、ちょっと「快」を感じると次はもっと多くの「快」しか「快」を感じられなくなるんだとか。
「快」が当たり前になると、もっともっと、と欲が出てしまうのですね。
「苦」が当たり前だと思うことで、日常のちょっとしたことから「快」を感じることができる、と私は解釈しました。
心を押さえつけて欲を無くすのではなく、心を安定させて欲を少なくさせることを学べる1冊です。
もしよかったらぜひ読んでみてください。
貧乏入門小池 龍之介