もう、そんなに頑張らなくていい


「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす (光文社新書)

最初にタイトルを見たとき、驚きましたね。家事のしすぎがどうして日本を滅ぼすことになるのかって…。

この本は、「完璧に家事をこなそうとしている日本人、中でも日本の主婦の歴史や現状が書かれている部分」と、「『片付けることに一生懸命になっているのはどうしてか?』ということが書かれている部分」の2つから成っています。

かなり緻密なデータを基に書かれている部分も多いので、全てを理解しようとするには少々難しいのですが、自分のことに照らし合わせるとリアルに感じ取れる内容です。

まず感じたのは、本当に日本の主婦は家事に振り回されているな~と。もちろん、私も含めて。

食事の支度や後片付けから始まって、掃除、洗濯は当たり前。子どもが生まれれば育児。それもかなりのレベルを求められて、仕事を持っていれば尚更、時間のやりくりまで完璧を求められます。当然、誰もがやっていることなので、不平不満などそうそう口にはできませんし。

家事なんて、家族で分担すればいいのに。これは理想でしかないのでしょうか?

我が家を考えた場合、それが理想でしかないのがなんとなくわかります。

私の母も義母も結婚して以来ずっと専業主婦です。自営業の親族を除けばほぼ全員既婚女性は専業主婦です。

だから旦那さんが仕事から帰ってくれば、背広をハンガーに掛けながら「ご飯にする?それともお風呂?」なんて一昔のテレビドラマそのもの。

男は外で働いてくるのだから、一日中家にいる妻は夫の面倒をみて当たり前。それを見て育った私はやはり「家のことはできるだけ自分でやらなきゃ」と思ってすごしてきました。

今でこそ仕事を始めていますが、長い間、専業主婦でいたことも影響しているでしょうね。

ただ、昔、まだ結婚して仕事を続けていた時、何日間か夫より私の方が帰りが遅くなったことがありました。

その時、夫が夕飯の用意などをしてくれていたのですが、「おかえり」と言って私を迎えてくれる夫の顔がしかめっ面で怖かったのです。

その顔に「申し訳ない」という気持ちでいっぱいになってしまって。

あの頃は私もまだ若くて、夫に言いたいこともすぐには言えなかったんだと、今振り返るとそう思います。

仕事して疲れて帰ってきて、夫にあんな顔でおかえりと言われて、一応夫が作ってくれたご飯を食べて…ものすごいストレスだっただろうな、とあの頃の自分がかわいそうに思えてきてしまいました。

ほどなくして仕事を辞め、その後長男を出産して間もなく、育児の大変さに押しつぶされそうになりながら「仕事の方が断然楽だ」と率直に思いましたから。

その数ヶ月後の引っ越しのこともフツフツと思い起こされてきました。

引っ越しの準備や手続きは大変で、乳飲み子を抱えながらでは尚更でした。

だから水道局への引っ越しの手続きを忘れてしまっていたことに気づかず、当日発覚した際、夫は「なんでやってないの?」と私を責めたのです。あ、いや、本人は責めたつもりはなかったのかもしれません。ただ単に「なんで?」と思っただけなのかもしれません。

でも、私は「なにやってんだよ!」と責められた気分でした。

とても悲しい気持ちでした。

一言、「赤ちゃんの世話だってあるのに、忘れることだってあるよね。なにもかもやってもらってありがとう」という言葉があれば救われたのに。(書きながら少し涙がこぼれちゃいました)

はぁ~。なんか今日ははじめに書こうとしていたことと全く違うことを書いてしまいましたが…。

でも、そうやって私は頑張ってきたな~と思うのと同時に、もうこれからはそんなに頑張らなくたっていいのかも、って、この本を読んでそう思いました。

この本には他にもとてもいい言葉、ストンと腑に落ちる言葉が出てきますので、次回それらを紹介したいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます☆